第10位:ホッキョククジラ(200年以上)
ホッキョククジラ(Balaena mysticetus)は哺乳類の中では最も長生きで、捕獲された野生のホッキョククジラの中には100歳を超える個体が見つかっており、場合によっては200年以上生きる可能性もあると推測されています。ホッキョククジラは、損傷したDNAの修復に関係している ERCC1というタンパク質をコードする遺伝子に変異があり、これによりがんで命を落とさずに済んでいる可能性があるとのことです。
第9位:アラメヌケ(205年以上)
カリフォルニア沖や日本近海などに生息するアラメヌケ(Sebastes aleutianus)は、最も長生きする魚類の一種で、寿命は205年以上とされています。 カナダ絶滅の危機に瀕する野生生物の現状に関する委員会の調べによると、アラメヌケの体長は大きいもので38インチ(約97cm)になるとのこと。肉食性で、主にエビや小魚などを食べて生きています。
第8位:ホンカワシンジュガイ(280年)
ホンカワシンジュガイ(Margaritifera margaritifera)は、主にヨーロッパや北米の河川に生息する貝です。世界自然保護基金によると、既知の中で最も長寿なホンカワシンジュガイはスウェーデンで発見された個体で、年齢は280歳だったとされています。ホンカワシンジュガイは代謝が非常に遅いため長寿な一方、近年の河川の環境破壊などで生息数は減少しており、絶滅危惧種のひとつに数えられています。
第7位:ニシオンデンザメ(最も短い見積もりで272年・最も長い見積もりで512年)
ニシオンデンザメ(Somniosus microcephalus)は、北極海や北大西洋の深海に生息するサメで、アザラシなどの海棲哺乳類から魚までさまざまな動物を食べて生息しています。2016年に学術誌・Scienceに掲載された、放射性炭素年代測定方でニシオンデンザメの水晶体から年齢を割り出す 研究では、「研究対象のうち最大の個体は392歳程度で、短く見積もっても272歳、長ければ512歳は生きていた可能性もある」と発表されました。
第6位:チューブワーム(300年)
チューブワームは、深海の冷たく静かな海底で生きる無脊椎動物です。2017年に発表された 研究によると、メキシコ湾の海底に生息するチューブワームの一種・ Escarpia laminataは通常の個体でも200年、特に長生きな個体は300年は生きていたとのこと。チューブワームは死亡率が低いほか、捕食者もいないため、このような長寿な生き物に進化したと考えられています。
第5位:アイスランドガイ(507年)
北大西洋に生息するアイスランドガイ(Arctica islandica)は、北大西洋沿岸地域では一般的な食用二枚貝でありながら前述のホンカワシンジュガイより長生きです。イギリスのウェールズ国立博物館によると、2006年にアイスランド沖で発見された個体は507歳で、群体ではない単体の動物としては最も長命だと考えられています。
第4位:ツノサンゴ(4265年)
サンゴは一見すると木や岩のように見えますが、実はポリプと呼ばれる無脊椎動物の骨格でできています。このポリプは、遺伝的には同一のコピーであるクローンを作りながら増殖し、長い時間をかけて骨格を成長させていきます。そのため、サンゴの長寿は「複数の同一の生物によるチームワーク」によって成り立っていると言えます。サンゴ全体をひとつの生物とした場合、その寿命は数百年以上に達するとされていますが、中でも2009年にハワイ沖で発見されたLeiopathes属のサンゴは、4265年前のものだったと発表されたことがあります。
第3位:ガラス海綿類(1万1000年)
海綿動物は原始的な無脊椎動物の一種で、何千年も生きることができます。その中でも、ガラス海綿類の一種であるMonorhaphis chuniという深海の海綿動物は、2012年の 研究で1万1000年は生きる可能性があると発表されました。
第2位:ベニクラゲ(理論上は不老不死)
クラゲは、幼生として卵から生まれてから海底に定着してポリプになり、やがてメデューサと呼ばれる成体となって海を泳ぎます。しかし、ベニクラゲの一種であるTurritopsis dohrniiというクラゲは、物理的な損傷やエサの不足といった危機的な事態に陥るとポリプに戻るという「若返り」ができるため、理論上は永遠に生きることもできるとのこと。
ただし、Turritopsis dohrniiは生活史を逆転させて若返ることはできるものの、大きさが約4.5ミリと小さく、捕食などの要因で死ぬことがあるため、自然環境で不老不死を実現するのは事実上不可能だといわれています。
第1位:ヒドラ(理論上は不老不死)
ヒドラは、淡水に生息する無脊椎動物で、クラゲと同様に刺胞という毒針のある触手でミジンコなどを捕らえて食べています。ヒドラもTurritopsis dohrniiと同じで理論上不老不死とされていますが、若返りによって寿命を免れているTurritopsis dohrniiとは違い、全身の大部分が 幹細胞で構成されているヒドラは年月を重ねても老化の兆候を見せないとのこと。そのため、自然環境では捕食などで死ぬことがあるものの、飼育下など外的な脅威のない環境であれば、文字通り不死身の可能性を秘めています。