10位 辰吉丈一郎
バンダム級世界チャンピオン
この選手はとにかく華がある。
90年代日本ボクシングは辰吉に始まり、辰吉で終わった。
圧倒的な才能を持ちながらも、網膜剥離により輝きを失うが不屈の精神で二度チャンピオンに返り咲く。
まさにロマンに溢れる選手であった。
三度目の戴冠の試合は必見。
世界的レフェリー、リチャード・スティール曰く
「辰吉ほど若者を熱狂させたボクサーはいない」
9位 内山高志
元世界スーパーフェザー級チャンピオン
なんと言っても破壊力がスゴイ。
また腕も長くしっかりガードを固めて、基本に忠実な綺麗なボクシングもする。
数々の衝撃KOを生み出してきた。
ただ同階級にライバルらしきライバルがおらず、強い相手とやらずに全盛期を終えたのが気の毒。
意外と顎が弱い。
8位 村田諒太
元ミドル級世界チャンピオン
リオ五輪ミドル級金メダリスト
オリンピックでしかもミドル級で金メダリストになった時点で快挙中の快挙だが、それだけでなくプロの世界でも頂点に立った。
二度、ミドル級チャンピオンに輝き、まさに日本ボクシングの歴史に名前を刻んだ。
ミドル級のような重量級(海外では中量級扱いされることもある)は日本人の体格やパワー、速度的に厳しいものがあり、重量級の日本人世界チャンピオンはそれまでに1人しかいなかった。
ただプロデビューする年齢が遅く、ビッグマッチを望んだがため、プロとしてあまり試合が出来なかったのが勿体ないとは感じる
7位 竹原慎ニ
元ミドル級世界チャンピオン
日本人で初めて重量級で世界を取った男
若いころは広島の粗大ゴミと揶揄される不良だったが、上京してボクシングを始めてからはその才能が開花
日本人には絶対不可能と言われていた重量級でチャンピオンのホルヘ・カストロからダウンを奪い見事、快挙を成し遂げた。
彼も網膜剥離によりほとんど片目が見えない状態だったため、防衛戦で名ボクサーのジョッピーに負けてそのまま引退。
まだ24歳という若さだった。
個人的には村田より竹原の方が強いと思う。
6位 渡辺二郎
元ジュニアバンダム世界チャンピオン
とにかく巧い。綺麗なボクシングをする。
WBA・WBC統一世界チャンピオンで合わせて通算10度の防衛を達成している。
相手にカウンターを合わせる技術や打たせない技術は日本人屈指で、巧さならば彼と並ぶ日本人選手はほとんどいないだろう。
ではなぜそれほどの名ボクサーでありながら、現代においてあまり知名度がないのか。
なんででしょうね?
5位 輪島功一
元ジュニアミドル級世界チャンピオン
身長170cmほど、リーチも短くプロになったのはなんと25歳と遅咲き
それにも関わらず三度、ジュニアミドル級でチャンピオンに輝いたのだからランキング入れない理由がない。
変則的なボクサーでそのファイトスタイルには賛否両論あるものの、ボクサーにもっとも必要な精神力でいえば彼がトップではないか。
負けて世界チャンピオン陥落しても、必ず這い上がってリベンジするその姿は浪花節的なものがあり、昭和の日本人たちを湧かせた。
またライト級以上の中量級は世界的に成人男性の身体に近く層が厚い。
そのため現在まであまり日本人チャンピオンは生まれておらず、チャンピオンになれても短期で終わる。
そのなかで、6度防衛し、三度もジュニアミドル級でチャンピオンに輝いているのだから鉄人である。
4位 ガッツ石松
元世界ライト級チャンピオン
「OK牧場」など今ではおもしろタレントおじさん扱いされてるが侮ることなかれ。
輪島功一の時にも言ったが、ライト級以上はスーパーフェザー未満と比べてグッと層が厚くなり、正直言ってレベルが異なる。
本番アメリカでも人気を集めるのはライト級以上の試合になることが多い。
ライト級とは全階級の中でもちょうど真ん中にあたり、成人男性の身体に最も近い。
ガッツ石松はこのランキングの中では最もエリートから程遠いボクサーだろう。
世界チャンピオンになるまで10敗以上している日本人ボクサーは彼だけである。
また若い頃は負けると分かると試合を投げ出すボクサーでもあった。
ガッツというリングネームは当時の会長がすぐに試合を投げ出すガッツ石松にそのままではダメだということで付けた。
だがエリートではないが故の魅力というのもある。
とにかく全勝ボクサー、エリートボクサーてのは挫折に弱い。たったの一敗で引退する。
だが挫折だらけのボクサー、ガッツ石松にはそんなのは関係なく、這い上がってくるのが魅力だろう。
またガッツ石松は世界的名チャンピオン、ロベルト・デュラン、ケン・ブキャナン、エステバン・デ・ヘススとも戦っているのが評価できる。
ケン・ブキャナンを防衛戦で退けた功績はもっと評価されるべきだろう。
3位 具志堅用高
元ライトフライ級世界チャンピオン
いまや、お茶の間を賑わすチョッチュネおじさんと化しているが、現役時代は化け物だった。
あんな優しそうな見た目をしているが、現役時代が眼光鋭く、好戦的な激しいファイトスタイルで多くのKO勝利をした。
ダウンした相手にパンチを繰り出すようなダーティーなところもあった。
彼の1番の功績といえば13度の防衛だろう。
この記録は未だ破られていない。
というかたぶん無理だと思う。
2位 ファイティング原田
このランキングの中で最も古い選手だがランキングに入って当然の選手だろう。
井上の存在がなければ一位だった。
まずファイティング原田がいた60年代という時代は今と比べて重要団体が少なく、階級も今より細分化されていない。
現在、世界チャンピオンは暫定チャンピオンも含めてれば40人以上というはちゃめちゃな状況だが、ファイティング原田の時代には世界チャンピオンは10人いるかどうかだろう。
これだけでも世界チャンピオンという価値の大きさの違いが分かると思う。
そのなかでファイティング原田はフライ級、バンダム級の二階級制覇を達成している。この時代の二階級制覇は本当にすごい。
亀田兄弟の複数階級制覇なんてハナクソである。
しかも、ファイティング原田は実質三階級を制覇している。
フェザーでも世界タイトルマッチに挑戦し、当時のチャンピオンを滅多打ちにし、何度もダウンを奪ったがまさかの判定負け。
レフェリーがダウンしたチャンピオンを抱き起こすなど滅茶苦茶なことをし、完全に八百長試合。
アウェーでの戦いだったが、ファイティング原田の判定負けが告げられた時、ブーイングが起こった。
だがファイティング原田の1番の功績といえば、「黄金のバンダム」と評されたエデル・ジョフレという歴代バンダム級最強王者を二度も破っていることだろう。
他にもロープ際の魔術師、ジョー・メダルとの試合など語り尽くしたいことはまだある。
日本人で初めて世界ボクシング殿堂入りを果たしたチャンピオンでもあった
1位 井上尚弥
説明不要 解説なんかいらねぇだろ